統計が苦手でも論文投稿を目指せる?医療従事者のための統計学習サイトを紹介

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臨床データの解析や論文執筆に欠かせない統計。しかし「数式を見ると手が止まる」という医療従事者は少なくありません。月間15万人以上が利用する学習サイト「いちばんやさしい医療統計」は、そんな悩みにどう応えているのでしょうか。

統計でつまずく医療従事者が多い理由

論文を書きたい。学会で発表したい。でも、統計でつまずく。 医療の現場で働く人なら、一度はそんな壁にぶつかったことがあるのではないでしょうか。

医学部や看護学部のカリキュラムで統計学に触れる機会はあっても、実際の臨床データを前にすると「で、どの検定を使えばいいの?」と手が止まる。よくある話です。教科書に並ぶ数式を眺めて、そっと本を閉じた経験がある人も少なくないはずです。

そもそも医療・医薬品業界では、基礎的な統計をわかりやすく教えてくれる存在がほとんどいないと言われています。現場の統計専門家は、自分たちの組織の課題対応で手一杯。「誰に聞けばいいのかわからない」という状態が、長く続いてきました。

数式より「イメージ」で理解する、という発想

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そんな統計アレルギーを抱えた医療従事者にとって、ひとつの手がかりになりそうなのが「いちばんやさしい医療統計」というサイトです。運営元は、統計解析の支援を専門とする株式会社データシード。

このサイトが掲げているのは、「数式にとらわれない、イメージとしての統計」というコンセプト。t検定やカイ二乗検定をいきなり数式で説明するのではなく、「どんな場面で使うのか」「何を比べたいのか」というところから入る構成になっています。

月間15万人以上が訪れるサイトに成長しているのは、こうしたアプローチが現場の医療従事者に受け入れられている証拠でしょう。

製薬企業出身の代表が立ち上げた背景

代表の吉田寛輝氏は、北海道大学大学院修了後、中外製薬やヤンセンファーマで臨床試験の統計解析に携わってきた人物です。大学では統計を専門にしていなかったにもかかわらず、入社後に統計解析の専門家として業務を任されることになったといいます。

自分自身が統計に苦労した経験をもとに、勉強のアウトプットとしてブログを始めたのがサイトの原点。2020年に株式会社データシードを設立し、現在は医療従事者向けの統計教育を本格的に展開しています。「わからない側の気持ちがわかる」専門家だからこそ、説明の噛み砕き方に説得力があるのかもしれません。

学び方の選択肢が広いのも特徴

YouTube動画や書籍、セミナーなど、学び方の入り口が複数用意されている点も、忙しい医療従事者にとっては助かるポイントでしょう。RやEZR、SPSSといった統計ソフトの操作解説もあるため、「理屈はわかったけど、実際にどうやって動かすの?」という実務面の疑問にも対応しています。

著書『いちばんやさしい医療統計 徹底図解』は全国の書店やAmazonで購入でき、LINE公式アカウントに登録すると「医療統計基礎の基礎セミナー」のアーカイブ動画(約4時間分)を無料で視聴できるなど、まずはお金をかけずに学び始められる環境が整っています。

さらに本格的に学びたい方には「いちばんやさしい医療統計大学校」という個人向けプログラムや、クリニック経営者向けの統計コンサルティングも用意されています。

アカデミアとのつながり

大学教授や医療機関と連携して統計解析ソフトの開発に関わるなど、アカデミアとの接点を持っている点も、提供されるコンテンツの実践性を裏づけています。大学でのセミナーや学会での教育講演にも積極的に取り組んでおり、営利目的ではない講演については講演料を受け取らないというスタンスを取っているそうです。

統計は「壁」ではなく「道具」

統計はあくまで、臨床の問いに答えるための道具です。にもかかわらず、その道具の使い方を学ぶ場が限られていたために、多くの医療従事者が研究の入り口で立ち止まってしまっていた現実があります。

「論文を書く」というゴールが、統計を理由にあきらめるものではなくなりつつある。そう感じさせてくれる学習環境が、少しずつ整ってきているようです。