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【タイトル】EATとは?Googleに評価されるため今すぐできる5つのこと

SEO対策を考えるうえで、避けて通ることのできないのが「E-A-T」という概念です。この言葉の意味を正しく理解して適切な対応に取り組まないと、せっかくコンテンツを拡充しても、Webメディアを運営する目的を達成できずに終わってしまうかもしれません。

 

そこで今回はGoogleの品質評価基準である「E-A-T」の具体的な意味と今すぐに取り組むことのできる5つの対策を紹介します。また、E-A-Tと密接な関係がある「YMYL」についてもわかりやすく解説します。

 

E-A-TはWebサイトにおける品質評価基準

SEO対策におけるE-A-Tとは、専門性、権威性、信頼性を意味する「Expertise」、「Authoritativeness」、「Trustworthiness」の頭文字に由来し、Googleが「検索品質評価ガイドライン」内で「ページ品質評価の最重要項目」として公表している評価基準です。

 

言い換えれば、Googleから評価されSEOで上位に表示されるコンテンツをつくるためには、専門性、権威性、信頼性の三つの要素を意識する必要があるということです。では、これら三つの要素は具体的にどのようなことを指すのでしょうか。

 

Expertise(専門性)とは「特化している」

専門性とは、その言葉どおりWebサイトやコンテンツの内容が何らかのテーマに特化していることを指します。

 

具体的な例でいうと、グルメもファッションも音楽もというようにさまざまなジャンルを扱うWebサイトではなく、グルメだけ、音楽だけというように一つのジャンルに特化したウェブサイトであるということです。

 

専門性のあるコンテンツが評価される理由としては、雑記的なコンテンツよりも、一つのテーマや分野に特化したコンテンツのほうがユーザーのニーズに素早くマッチできると考えられるからです。たとえば、あなたが子猫を譲り受けることになったとしましょう。猫の飼育方法について知りたいあなたにとっては、さまざまな動物の飼育方法を網羅的に紹介するWebサイトよりも猫に特化したWebサイトの方が、必要な情報を素早く、かつ豊富に獲得できるという期待がもてるでしょう。

 

このように、E-A-Tに含まれる評価基準はいずれも、ユーザー目線になって考えると理解しやすくなります。

 

Authoritativeness(権威性)とは「認められている」

権威性とは、Webサイトやそのコンテンツが第三者から見て「正しい内容である」「優れた内容である」などと認められているか、ということです。

 

猫の飼育に特化したWebサイトの例でいえば、運営者が「猫を飼ったことのない猫好きの人」なのか、「小学生の頃から猫を飼い続けている50歳の獣医師」なのかによってユーザーの情報に対する受け止め方が違ってきます。もちろんこの場合、多くのユーザーがより「正しい情報だろう」と感じるのは「小学生の頃から猫を飼っている50歳の獣医師」が運営するWebサイトでしょう。

 

このように、権威性の評価においては「誰が発信しているのか」が重視されます。

 

また、情報の発信者という視点に加え権威性は次のような要素から複合的に判定されます。

 

  • コンテンツの内容
  • Webサイトの運営実績
  • 被リンクの数
  • 他サイトから引用・言及されている(サイテーション)

 

つまり、権威性を高めるためにはコンテンツの内容に専門性があることに加え、長期的な運営実績や第三者からの評価も意識する必要があるのです。

 

Trustworthiness(信頼性)とは「信じられる」

信頼性とは、Webサイトの運営者やコンテンツの著者など、「情報の発信元が信頼できる」「安全であるか」ということです。

 

もしタイトルが、「獣医師〇〇直伝!猫の飼い方ガイド」というサイトであるにも関わらず、運営者情報や獣医師のプロフィールが明記されていない場合、そのWebサイトは必ずしも信頼性が高いとはいえないでしょう。信頼性を担保するためには、まず運営者の名前や連絡先の情報を公表する必要があります。

 

ほかにも、信頼性を高めるためにはWebサイトやコンテンツに次のような対策が求められます。

 

  • 最新の情報を掲載している
  • 引用元が信頼できる情報源である(公的機関や官公庁など)
  • WebサイトをSSL化している(データ通信を暗号化している)
  • プライバシーポリシーや規約などを公開している

 

このように、専門性・権威性・信頼性という三つの基準を意識することにより、ユーザーにとって有益であり、かつGoogleにも評価されるWebサイトやコンテンツをつくることができるのです。

 

E-A-Tを特に意識すべき「YMYL」の領域

E-A-Tの評価基準が特に重視されるのは、YMYLという領域のWebサイトやコンテンツを扱う場合です。YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、財産や健康など、ユーザーの生活や人生に大きな影響を与える可能性のある情報を意味します。

 

具体的なものとしては主に以下の七つのジャンルがあげられます。

 

ニュース・時事問題 国際的なニュースやイベント、政治問題など。ただし、エンターテイメントやスポーツ、日常生活などのトピックは人々の生活や人生に大きな影響を与えるものとみなされず該当しないことがある
法律・政府・公共サービス 生法律問題や選挙、政府機関、公的機関に関する情報など
金融・経済 税金、銀行、ローン、投資、保険、株、為替に関する情報やアドバイスなど
ショッピング オンラインで購入できる商品やサービスを扱うサイト、オンラインでの支払いや送金ができるWebページ全般
医療・健康 医療問題、医療行為、病気、病院、薬、メンタルヘルス、緊急時の備え、安全対策に関する情報やアドバイス全般
人権問題・宗教 性別、国籍、人種、民族、障害、性的志向などに関する情報や主張
その他 住宅情報、就職活動、学校の選択、ダイエット、栄養、美容、フィットネスなど

 

悪意の有無にかかわらず、これらのジャンルに関連する誤った情報をユーザーが受け取った場合、ユーザーの生活や健康、人生に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、GoogleはYMYL領域のジャンルに対してより厳しい評価基準を設けています。評価基準を満たさない場合には質の低いコンテンツとみなされ、検索結果に表示されにくくなるのです。

 

「WELQ問題」から見るYMYLの重要性

Googleでは検索アルゴリズムの定期的なアップデートに加え、「コアアップデート」と呼ばれる大規模なアップデートを年に数回程度実施しています。その中でもYMYL領域でE-A-Tが強く重視されるきっかけとなったといわれているのが、2016年末頃に世間を賑わせたいわゆる「WELQ問題」です。

 

この問題では、大手IT企業が運営するキュレーションサイト(まとめサイト)である「WELQ」で、医療や健康、美容などに関し、医師の監修がない誤った記事や、他サイトから無断転載された記事が大量に公開されていました。悪質なコンテンツの掲載元だけでなく、Webサイトのコンテンツ数や文字数が多ければ上位に表示するというGoogleのアルゴリズムにも批難が集まる事態となったのです。

 

Googleがこの問題について直接、表立って言及することはありませんでしたが、2017年2月に、コンテンツの質を重視する検索アルゴリズムへのアップデート、通称「ウェルクアップデート」を実施しました。

 

さらに、同年12月にはいわゆる「健康医療アップデート」を実施し、医療・健康領域において質の高いコンテンツが検索上位を占めるようになりました。

 

こうして一連の流れを振り返ってみても、YMYL領域のコンテンツはGoogleのアップデートと密接な関係があると考えられ、E-A-Tに注意を払う必要性がいっそう高いといえるでしょう。

 

E-A-Tを高めるために今すぐできる5つのこと

 

E-A-Tは少なくとも表向きには数値化可能な定量的基準ではないため「こうすればE-A-Tのスコアがアップする」といった明確な施策もありません。とはいえ、そもそもE-A-Tとはユーザー目線で設けられた評価基準であり、各要素の趣旨を理解したうえでWebサイトやコンテンツの運用、拡充を継続すれば、おのずとユーザーの満足度を高め、実質的な評価にも繋がるはずです。

 

E-A-Tを高める施策にはさまざまなものが考えられますが、ここでは今すぐに取り組める5つの施策をご紹介します

 

1.「検索品質評価ガイドライン」を理解する

E-A-Tを高めるためには、まずGoogleがE-A-Tについて言及している「検索品質評価ガイドライン」に目を通し、その内容をしっかり理解することをおすすめします。

 

検索品質評価ガイドラインとはGoogleが採用した外部の品質評価者がGoogleの検索結果の品質評価の際に評価基準として用いる資料で、年に1〜数回程度の頻度で更新されています。検索品質評価ガイドラインは英語版のみですが、インターネット上では日本語への翻訳文を見つけることもできます。

 

ガイドラインには「よい検索結果とはどういうものか」についての一定の見解が記されているものの、具体的な施策が記載されているわけではありません。とはいえ、Googleの基本的な考え方やGoogle検索の目指すところなどが理解できるため、長期的にWebメディアの運営を行う場合の基礎的スタンスの構築に役立つでしょう。

 

2.「特化する」ことを強く意識する

たとえば著者が著名人でなくとも、記事がその人の目線でしか書けないオリジナリティあふれる内容であれば、その記事は専門性があるものと認識され、やがて「その人が書いたもの」として権威性や信頼性も生まれます。つまり、Webサイトやコンテンツに専門性を持たせることはE-A-Tの中でも基礎となる部分と考えられます。

 

具体的な施策を行う以前に、まず「特化する」ということを強く意識することから始めてみましょう。そして、すでにWebサイトがある場合には、カテゴリ単位で特化させることを考えます。カテゴリごとのジャンルが違いすぎる場合にはドメインから分けてサイト単位で特化させていくことを考えましょう。

 

特にYMYL領域のコンテンツと非YMYL領域のコンテンツが混在している場合には、Googleのアルゴリズムが混乱する可能性があるため、サイトを分けるべきでしょう。なお、この点については2021年の4月9日のオフィスアワーにてGoogleのJohn Mueller氏が言及しています。

参考:English Google SEO office-hours from April 9, 2021

 

3.運営者や著者の情報を明記する

コンテンツの内容がどれだけ正しく専門性のあるものでも、ユーザーがその内容を信用しなければ意味がありません。コンテンツに権威性、信頼性を持たせるためには「誰が発信しているか」という運営者や著者の情報を明記することが大切です。

 

特にYMYL領域のコンテンツについては、Googleの「検索品質評価ガイドライン」でも、メールアドレスや電話番号など運営者の連絡先を掲載することが求められています。「運営者=著者」ではない場合は、著者のプロフィールや実績、SNSなどを掲載する方法もよいでしょう。信頼性を高めるという意味では著者が有名人であることにこだわるよりも、著者の出自を明らかにすることの方が重要です。

 

4.既存の記事を更新する

必ずしも「投稿日が古い=品質が低い」というわけではありませんが、YMYL領域のコンテンツなど、ジャンルによっては情報が少し古くなるだけで結果的にユーザーが不利益を被る可能性があります。昨日までは正しいとされていた情報が翌日には誤った情報になるケースも珍しくはありません。リンク切れは代表的な例ですが、意図せずユーザーからの信頼性を失わないためにも、既存の記事の内容を管理・把握しておき、必要に応じて素早く更新しましょう。

 

また、タイトルや見出しを変更することでユーザーにとって記事の内容がより伝わりやすくなったり、専門性のある記事として再生できたりするケースもあります。新規の記事作成にこだわらず、既存記事の見直しも積極的に取り組みましょう。

 

5.「Googleビジネスプロフィール」に登録する

Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)は、Googleが公式に提供しているサービスで、Googleの検索結果画面やGoogleマップに店舗情報や企業情報を無料で表示させることができます。

 

Googleビジネスプロフィールに登録する際にはGoogleの認証を受ける必要があります。つまり、認証を受けることによってGoogleから一定の信頼性が得られることが考えられるというわけです。Googleビジネスプロフィールはもっぱら飲食店などBtoCの集客のためのツールと思われがちですが、実店舗への集客を求めないBtoB企業の場合にも登録することをおすすめします。

 

まとめ

E-A-TはExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)から成るGoogleの品質基準として意識するべきですが、本来、良質で信頼できる情報を読み手に伝えることは、情報を発信する際の大前提として心得ておくべきことといえます。

 

自社でコンテンツ制作を行う場合だけでなく、外注する場合にも同じことが指摘できます。コンテンツ制作を依頼する場合にも「特化しているのか」「認められているのか」「信じられるのか」というE-A-Tの観点から、評価されるコンテンツを生み出せるつくり手を選ぶことが大切です。

 


投稿者プロフィール

編集長・清水
編集長・清水
編集プロダクション雨輝の編集長。文筆業一家に生まれ、初めて編集業務に携わったのは14歳。Webライターたちの質の低さに失望し、業界を底上げすべく2014年に編プロを設立。日々、Webと紙媒体の狭間で日本語にこだわり続ける。趣味は映画・ドラマ観賞と旅。海外ドラマを語らせたら三日三晩トークが止まらないので要注意。日本は1.5周済。ひそかに文学賞を狙っている。
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