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【最新】2022年5月Googleコアアップデートの内容と今後の対策


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2022年初となるGoogleのコアアップデート「May 2022 core update」が5月26日に実施されました。コアアップデートは検索順位に大きな影響を与えるため、実施後は検索順位の変動に注目しながら情報収集をに取り組み、必要に応じて従来の施策を見直す必要があります。

 

そこで今回は最新のコアアップデートの内容に加え、これまでのコアアップデートの歴史的経緯やその傾向を踏まえつつ、今後実施するべき対策について解説します。

 

Googleコアアップデートとは検索アルゴリズムの見直し

 

Googleのコアアップデートの正式名称は「コアアルゴリズムアップデート」といい、Google検索のアルゴリズムの全般的な見直しを指します。

 

日々実施されている小規模なアップデートに対して年に2~4回程度しか実施されないコアアップデートは、実施後、検索順位に大きな影響が及ぶことがあります。Googleは基本的にコアアップデートの詳細な内容について公表しないため、SEO対策の担当者はコアアップデート後の順位変動に注視し、検索順位が下がった場合にはWebページの内容や今後の作成方針について見直す必要があります。

 

なお、現在Googleではコアアップデートに関して実施前、スタート時、完了後にそれぞれTwitterを通じて告知しています。

 

 

コアアップデートは通常1週間程度で完了しますが、完了後2週間程度は検索順位が大きく変動することもあれば、反対に2~3日で元の順位に落ち着くなどの現象が起こることがあります。

 

Googleコアアップデートの歴史と傾向

Googleコアアップデートは、ユーザーの利便性向上を目的として、Googleが検索サービスを開始して以来たびたび実施し、そのたびに評価されやすいWebページの傾向も変化してきました。

 

GoogleがどのようなWebページを評価する傾向にあるのかを知るには、これまでに実施された主なアップデートの内容やその影響について知ることが有効です。

 

2017年までの主なアップデート

2017年までに実施されたコアアップデートの中でも、特に影響が大きかったと考えられるアップデートは以下のとおりです。

 

2011年2月 パンダアップデート ユーザーファーストという考えのもと、オリジナリティのある高品質なコンテンツを検索結果の上位に表示するようになったアップデートです。これによりコピーコンテンツや広告の多いコンテンツといった低品質なWebページは上位に表示されにくくなりました。
 

2011年11月

 

フレッシュネスアップデート 最新の出来事や定期的なイベントなど、より新鮮な情報が評価されるようになったアップデートです。ただし、どんな情報でも上位表示されるわけではなく、Googleが最新の情報が必要と判断したキーワードに対して適用されます。
2012年4月 ペンギンアップデート 被リンクの大量設置やコピーコンテンツ、特定のキーワードを不自然に入れ込んだ文章など、不正な手法で上位表示させようとするWebサイトを上位表示させにくくしたアップデートです。2016年9月までに7回の更新が行われ、現在はリアルタイムで更新されています。
2014年12月 ベニスアップデート ユーザーの位置情報を検索結果に反映させるようになったアップデートです。たとえば「美容室」と入力すれば、検索上位に現在いる場所の近くにある美容室の情報が表示されるといった仕組みです。
2015年10月 ランクブレイン導入 ランクブレインとはAIを利用し、ユーザーの検索意図にマッチする検索結果を上位に表示させるプログラムのことです。これにより「猫の飼育」と入力した場合に「猫の飼い方」や「猫の育て方」などのキーワードを含むWebサイトも検索結果の上位に表示されるようになりました。
2016年5月 リッチカード導入 リッチカードとは検索結果の上位にキーワードに関連する画像や動画を表示するプログラムのことです。日本では2017年3月から飲食店、レシピ、映画の分野で導入されるようになりました。
2016年9月 AMP導入 AMPとは「Accelerated Mobile Pages」の略で、モバイル端末にWebページを高速表示させるための手法です。AMPを導入すれば検索結果の上位に表示されるというわけではないものの、ユーザーの利便性が向上し、離脱率の低減などにつながります。
2017年2月 日本語検索向けアップデート 日本語に特化したアップデートで、高品質なコンテンツを日本語検索でも検索結果の上位に表示させるためのアップデートです。これにより信頼性の低い情報を扱うキュレーションメディアの評価が下がるなどの影響がありました。
2017年12月 医療健康アップデート 医療や健康に関するコンテンツに対して信頼性や有益性が重視されるようになったアップデートです。文字数やキーワードの「量」を重視する傾向にあったそれまでの評価方法から、より内容の「質」を重視する評価方法へと変化しました。

 

2018年の主なアップデート

2018年は4回のコアアップデートが実施されました。以下の2回はその中でも影響の大きかったコアアップデートです。

 

・2018年3月 モバイルファーストインデックス本格始動

モバイルファーストインデックスとは、Webページの検索順位やインデックス登録の評価基準をPCページではなくモバイル端末にするものです。これにはスマートフォンからの検索数がPCからの検索数を上回ったことが背景にあります。

 

・2018年7月 スピードアップデート

PC・スマートフォンからの検索におけるWebページの表示速度の速さを評価基準の要素に含むこととしたアップデートです。これは、表示速度の遅さがユーザーの利便性を阻害し、離脱率の上昇や滞在時間の短縮などを引き起こすためと考えられます。

 

2019年の主なアップデート

2019年に実施された5回のコアアップデートの中で最も影響が大きかったといえるのは10月の「BERT」アップデートです。BERTとはAIによる自然言語処理技術の一つで、このアップデートにより検索キーワードからよりユーザーの検索意図に沿った検索結果を表示させることが可能になりました。

 

2020年の主なアップデート

2020年は3回のコアアップデートが実施され、各アップデート後には大きな順位変動がみられました。その中でも特に順位変動が多く見られたのは後で詳しく解説するYMYL領域のWebページで、この背景には、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大も影響していると考えられます。また、ドメインパワーだけではなくコンテンツの品質も重視される傾向もみられました。

 

2021年の主なアップデート

2021年はスパムアップデートを含む9回ものコアアップデートが実施されました。6月に実施されたページエクスペリエンスアップデートは順位変動に大きな影響を与えることはありませんでしたが、LCP(コンテンツの表示速度)、FID(入力やクリックの反応速度)CLS(意図しないレイアウトのズレ)が新たな着眼点として取り上げられ、Webページに対するユーザーの快適性が評価基準に加わったと考えられています。

 

【最新】2022年5月のGoogleコアアップデートの内容

 

ここからは2022年5月に実施されたGoogleのコアアップデート「May 2022 core update」について、現状検索順位に影響があった部分に焦点を当てて解説します。なおGoogleは今回のアップデートの詳細については公式に言及していませんが、「Google 検索セントラル ブログ」内ではすべてのユーザーにとって利便性と有用性が高まるようにすることを目的としていますと明記されています。

 

YMYL領域に大きな影響

近年のコアアップデートと同様、今回のコアアップデートにおいてもYMYL領域のWebページに大きな影響があったとみられています。なお、YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で、人々の健康や人生に大きな影響を及ぼす可能性のあるジャンルのことです。これについてはGoogleの「検索品質評価ガイドライン」においても定義されており、具体的には次のようなジャンルが対象となります。

 

ニュース・時事問題 国際的なニュースやイベント、政治問題など。ただし、エンターテイメントやスポーツ、日常生活などのトピックは人々の生活や人生に大きな影響を与えるものとみなされず該当しないことがある
法律・政府・公共サービス 生法律問題や選挙、政府機関、公的機関に関する情報など
金融・経済 税金、銀行、ローン、投資、保険、株、為替に関する情報やアドバイスなど
ショッピング オンラインで購入できる商品やサービスを扱うサイト、オンラインでの支払いや送金ができるWebページ全般
医療・健康 医療問題、医療行為、病気、病院、薬、メンタルヘルス、緊急時の備え、安全対策に関する情報やアドバイス全般
人権問題・宗教 性別、国籍、人種、民族、障害、性的志向などに関する情報や主張
その他 住宅情報、就職活動、学校の選択、ダイエット、栄養、美容、フィットネスなど

 

検索意図へのマッチ度が重視される傾向

SEOコンサルタントのLily Ray氏が言及しているように、今回のコアアップデートでは検索意図へのマッチ度が重視される傾向が強まったとの意見がネット上でも散見されています。

 

Lily Ray氏は以下のツイートで、今回のコアアップデートによって生じたレゴブロックに関する検索結果の変化について指摘しています。ページの品質に関わらず、検索意図の変化から一般や子ども向けの購買ページの順位が上昇し、大人向けの購買ページの順位は低下するといった現象が起こっているというのです。

 

 

また、Twitter上では以下の投稿のように「ドメインよりもコンテンツの質を評価する動きになっている」といった内容の意見も多くみられました。

 

 

情報の新しさが重視される傾向

今回のコアアップデート後に順位を落としたWebページに多くみられた共通点が「情報の古さ」です。具体的には「更新日が数年前」「タイトルに記載されている日付が古い」「公開日や更新日の記載がない」などの例が挙げられます。これらの傾向から推測できることは「情報の新しさが重視されている」ということ。つまり、こまめに最新の情報を公開したり、定期的に新しい情報に更新しているWebページは評価されやすいと考えられます。

 

ただし、GoogleはWebページ全体の変化の割合なども分析していると考えられ、たとえば「更新日だけを変える」といったメンテナンスは通用しないでしょう。

 

信頼性がより重視される傾向

運営者情報がないサイトや、著者のプロフィールなどが書かれていないアフィリエイトサイトなども今回のコアアップデートによって検索順位を落としているとみられます。また、いわゆる「寄生サイト」や「サイト貸し」と呼ばれるタイプのサイトも同様です。これは、Googleが品質評価基準として重視するE-A-T(専門性、権威性、信頼性)の考え方からみても妥当な結果であるといえます。

 

オリジナル性がより重視される傾向

ユーザーによる検索行為なしでユーザーの現在地や検索履歴、デバイスなどのデータをもとに、興味や関心があると思われるコンテンツを表示するアプリ専用機能、Google Discover。このGoogle Discoverにおいては、コンテンツのオリジナル性が重視される傾向がみられます。たとえば同じスポット情報やおすすめ商品に関する情報であっても、オリジナルの画像や体験談、おすすめする理由などが掲載された記事はGoogleにピックアップされ、そうでない記事については表示されにくくなっているとみられています。

 

2022年5月のGoogleコアアップデートへの対策

基本的にGoogleのコアアップデートに対してサイトの運営者がすべきことは「ユーザーにとって有益な情報を提供する」ということであり、これはGoogleの「検索品質評価ガイドライン」においても明らかにされています。これを踏まえ、2022年5月のコアアップデートを受け、今まで以上に強化しておきたい対策について解説します。

 

ユーザーの検索意図をより詳細にイメージする

今回のコアアップデートでは、Googleが以前から掲げている「ユーザーファースト」という考え方を意識したWebサイトがより上位に表示されやすくなったと考えられます。そのため、各コンテンツの内容も「ざっくり」「ぼんやり」したものではなく、より専門性の高い、「ユーザーが求めている情報」にポイントを絞る必要がいっそう高まったと考えられます。

 

有効な対策として、検索上位のWebサイトやコンテンツを参考にして作成方針を見直すことが挙げられます。コアアップデート後に上位表示されているサイトやコンテンツを通じ、そこに含まれる情報に関連してユーザーがさらに何を知りたいと感じるかをより具体的かつ詳細にイメージを固めることで、Googleにもユーザーにも評価されるコンテンツがつくりやすくなるでしょう。

 

リライト・修正を怠らない

フレッシュな情報が評価される傾向が強まったとはいえ、ニュースのように新しい情報を収集することに徹するべきかといえば、そうとは言い切れません。仮に一年前に発信された情報であっても、そこから情勢に変化がないのであれば、その情報が最新ということも十分にあり得ます。

 

ただし注意が必要なのは、情報が最新かどうかを読み手であるユーザーは判断ができないということです。あくまでも情報を提供する側が、情報の新しさを明示する必要があります。Googleから十分なメンテナンスを施された情報として認識されるために、単に日付だけを変えるのではなく、文章の構成やレイアウトなど、コンテンツ全体の見直しを細目に行うことをおすすめします。動画や画像を追加するといった方法も有効でしょう。

 

サイトやコンテンツの出自を明示する

ネットで商品を購入する際、販売元の所在地が明らかになっていないと購入する側は不安な気持ちになってしまいます。同じように、いくらそのWebサイトやコンテンツが充実していても、情報発信側の出自が曖昧であればユーザーは不安を抱きます。今回のコアアップデートにおいてもWebサイトやコンテンツの信頼性を重視している動きが顕著に見られました。Webサイトの運営者情報やコンテンツの作成者に関する情報が明示されていない場合は、可能な限りその情報を充実させることが急務といえます。

 

「掲載順位が下がる=低品質なコテンツ」とは限らない

 

コアアップデート後の対策について具体的に検討する前に、ひとつ注意しておきたいことがあります。それは、評価はそのときどきで変化するものであり「絶対に修正が必要とは限らない」ということです。コアアップデートにより掲載順位が下がったからといって、必ずしもそのコンテンツに問題があるとは言い切れず、反対にこれまで掲載順位が低かったコンテンツが上位に浮上することもあります。そのうえで、掲載順位が下がった原因について「なぜなのか」と疑問を持ち、コンテンツの見直しを行うことは必要でしょう。

 

なお、コアアップデートによる掲載順序の低下が必ずしもコンテンツの問題に由来しないという考え方については、「Google 検索セントラル ブログ」内の「Google のコア アップデートについてサイト所有者が知っておくべきこと」でも「2015年の映画のトップ100のリスト」という例を用いて解説されています。

 

まとめ

Googleはユーザーにとって有益な情報を提供することを常に重視しており、今回ご紹介した2022年5月のコアアップデートにおいても良質なWebサイトをユーザーに届けようとするGoogleの一貫した姿勢が見出されます。

 

Googleのコアアップデートは今後も実施されることが予想されますが、サイト運営者が「検索品質評価ガイドライン」に沿ってユーザー目線でコンテンツを作成し続ければ、Googleからも自ずと評価されるはずです。よりユーザーのニーズにマッチする検索エンジンへとGoogleが進化していく中、品質の向上を軽視した量産型のコンテンツは評価されないと考えるべきであるといえるでしょう。


投稿者プロフィール

編集長・清水
編集長・清水
編集プロダクション雨輝の編集長。文筆業一家に生まれ、初めて編集業務に携わったのは14歳。Webライターたちの質の低さに失望し、業界を底上げすべく2014年に編プロを設立。日々、Webと紙媒体の狭間で日本語にこだわり続ける。趣味は映画・ドラマ観賞と旅。海外ドラマを語らせたら三日三晩トークが止まらないので要注意。日本は1.5周済。ひそかに文学賞を狙っている。

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