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【2021年最新版】副業・フリーランスの収入がすでに減少しているという事実


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政府やクラウドソーシング関連企業は、副業をはじめとするフリーランス社会の推進を行っています。フリーランス人口増加している現状を声高に喜び、さらな推進に向かった動きをしていますが、果たしてそれはいいことなのでしょうか。

 

フリーランス人口が増えれば、クラウドソーシング企業は潤っていきます。しかし、フリーランス個々人が潤うかといえば、決してそうではありません。不景気や人口減少に伴い、サラリーマンの雇用だけでなく、これからはフリーランスの食いぶちがなくなっていく可能性は非常に高いのです。実際にその兆候がランサーズのデータによって現れ始めました。さまざまなデータから、今後フリーランスや副業で生きていくことが困難になる現実をお伝えします。

副業化の加速

近年、政府が副業やフリーランスへの支援を推進することが話題にあがることが増えました。2020年9月に実施されたアンケートでは、副業・複業をする人の8割以上が「本業以外の収入を得たい」と回答しています(「パーソルプロセス&テクノロジー株式会社」調べ」)。同じ時期に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の改定を行った政府も「1つの仕事だけでは生活できない」ことを理由にあげて副業・兼業を行える環境整備の重要性を説いています

 

実際に副業・フリーランスの人口も増えています。2019年7月に発表された内閣の資料によれば、フリーランスの人口は最大で341万人(うち副業は最大163万人)でした。2020年5月発表の資料では、462万人(副業248万人)と大幅な増加が見られています。政府のデータでは少なく見積もっても1年間でフリーランスは100万人増です

ランサーズ実態調査2021より

ランサーズではフリーランスを幅広く定義していることから人数が多いですが、2018年2月発表されている1151万人(副業765万人)だったフリーランス人口は、2021年2月発表では1670万人(副業812万人)に。新型コロナウィルスの影響も大きく影響しているかと思われますが、4年間でフリーランスは500万人も増加していることになります

 

ランサーズのデータによれば、フリーランスの総人口は2019年までは減少傾向にありましたが、2018年までは副業人口が増えていることも明らかになっています(nippon.comより)。副業をする人が年々増えていることは、あらゆるデータから間違いなさそうです

不景気によって得られる仕事が減っていく

バブル期以来の株価暴騰が報じられましたが、日経平均株価は日本の選ばれた上場銘柄の平均を出しているだけなので、日本の企業が平均的に潤っているわけではありません。新型コロナウィルスの影響で倒産している企業や疲弊している家庭が多いことはだれもが疑わないでしょう。コロナ禍以前からも「収入」を理由に副業をしている人が多かったことから元々日本の景気は悪いことはわかります。これから日本の景気が良くなる見通しを感じている人も少ないでしょう。

 

問題なのは、「1つの仕事だけでは生活できない」ことを理由に政府が副業を推進していることです。これはつまり、本業で生活を担保できるような社会づくりができないと国が正式に声をあげていることに等しいと言えるのではないでしょうか。日本労働弁護団は、「政府の副業・兼業を推進する姿勢に反対する声明」を出しています。以下はその理由のひとつです。

副業・兼業のかかる実態を無視し、キャリア形成や自己実現追求という明るい側面のみを強調して副業・兼業を積極的に推進することは許されない。政府がまず行うべきは、本業に1日8時間従事すればきちんと生活できるだけの収入が得られるようにするための労働政策(最低賃金の大幅な引き上げ等)を検討、実施していくことである。

日本労働弁護団

政府による副業推進は、本質的な経済政策とは思えない現状です。根本的に景気が良くならなければ、当然企業は潤いません。そのような状況下で副業やフリーランス人口が増加すれば、限られたパイを奪い合うだけの現状になり、一人ひとりが得られる仕事は減少していくだけです

少子高齢化に伴う経済の影響

平成28年版 情報通信白書

日本人の人口は、2008年をピークに減少の一途を辿っています。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によれば、2048年には現在よりも2000万人近くがこの国からいなくなる計算になっています。また、不幸なことにも新型コロナウィルスの影響で出生率が激減し、少子化が10年前倒しになると懸念している意見もあります(Business Journalより)。

 

人口減少や少子高齢化社会に伴って、経済にも影響がでることを内閣府の公式ホームページでも警鐘を鳴らしています。成長率、1人あたりの資本、生産性のいずれも下がっていく可能性が指摘されています。以下のようにも書かれています。

人口急減・超高齢化の進展の下では、社会保障負担の増大などを通して現役の働き手の世代の負担増加を続けていく懸念がある。負担と受益の関係が大きく損なわれると、経済へ悪影響が生ずるおそれがある。(中略)また、急速に仕組みが変わっていく場合には、将来の展望を描きにくくなる。いずれの場合であっても、安定して持続的に経済活動を行っていく上ではマイナスになり得る。

内閣府

副業する人にはさらに悲しいデータが存在します。2015年から2018年までは毎年人口減少率はせいぜい0.1~0.2%程度です(「総務省統計局」のデータより)。それに対して、副業人口増加率は少なく見積もっても1%となっています。新型コロナウィルスに関係のない時期で見ても、日本の総人口減に対して副業人口は上がっていることがよくわかります。経済が不安定になっていくなかで、雇用者よりも先に副業での収入減となっていく可能性は高そうです。実際にその兆候が数字で現れ始めています。

2019年度にフリーランス1人あたりの収入が減った

先ほどのランサーズが発表した経済規模とフリーランス人口のグラフを再度見てみましょう。2018年は約20兆円に対して1151万人ですが、2021年は約28兆円に対して1670万人です。計算すると、2018年発表のものでは1人あたりの年収は約188万円で、2021年発表のデータは約169万円となっています。2020年発表のデータよりは上昇していますが、2018年や2019年発表のデータに比べると差があります。

 

新型コロナウィルスによる一時的な影響にも思えますが、2020年のデータは2月に出されているため、実質2019年度の数値であり、新型コロナウィルスは関係ないことになります。では、フリーランスだけでなく、社会全体の平均年収の推移はどうなのでしょうか。ランサーズの「フリーランス実態調査2021」「doda(パーソナルキャリア株式会社)」を年度別でまとめると以下のようになります。

2018年から2020年までは新型コロナウィルスの影響でフリーランスも正社員も平均年収が減少するのは理解できます。問題はその減少率です。2年間で正社員の平均年収は1.6%減少したのに対してフリーランスは10.4%減となっています。また、フリーランスの平均年収は大幅減は2019年から起こっていることから、新型コロナウィルスが元凶とは言えないことは明らかです。この表を見る限り、フリーランス人口に対しての経済規模の拡大率はフリーランスや副業をする人からすれば悲しい結果だとわかります

 

社会全体の平均年収が増加していたのに、「1つの仕事だけでは生活できない」声が増えていることからは、社会格差が広がっているとも考えられます。副業やフリーランスの人数に対して、経済規模が2019年度で縮小したのは不景気の現れと捉えられるのではないでしょうか。経済規模の拡大率よりもフリーランス人口増加率が上回れば、1つの仕事をフリーランス同士で取り合う機会が増えるため、当然稼げる機会は減ります。

デジタル化による失業懸念から副業は増えていく

内閣は「ムーンショット目標」や「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」などではっきりとデジタル化やAIロボットによる技術推進を目標に掲げています。AIの推進は多くの雇用を奪うのではないかという意見は考察しなくとも理解できると思いますが、問題はどの程度の割合なのかです。2015年の段階で、野村総合研究所は以下のような見解を述べています。

英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授およびカール・ベネ ディクト・フレイ博士との共同研究により、国内 601 種類の職業について、それぞれ人 工知能やロボット等で代替される確率を試算しました。この結果、10~20 年後に、日本の 労働人口の約 49%が就いている職業において、それらに代替することが可能との推計結果 が得られています。

野村総合研究所

一人ひとりの収入を確保するための副業を推進しつつも、皮肉にも多くの人々の雇用を奪うデジタル化を推進しなければならなくなっているのが現代社会です。少なからず、失業者への懸念は高まることや、未来を担うデジタル関連の仕事が多いクラウドソーシングが力をつけてきていることから、必然的に副業へと目を向ける人は増えていくでしょう

副業で疲弊して逆に稼げなくなる可能性も

副業推進で懸念される未来のひとつが、「副業が当たり前」の社会になってしまうことです。政府のデータから見るに、日本での副業率は約2%程度ですが、欧米ではおよそ4~7%と進んでいます(「独立行政法人 労働政策研究・研修機構」より)。ドイツでは「ミニジョブ」と呼ばれる雇用制度があります。ミニジョブでは、低賃金(450ユーロ以下)の雇用保険なしで毎月働く代わりに税金が発生しません。税金を押さえながら収入を得られるというメリットがありますが、安定した収入確保のためには兼業を前提とした生活を強いられることにもなります。この制度では低賃金や不安定雇用を生み出す元凶になったとも指摘されています。

 

また、副業が前提になると以下のデメリットが日本でも考えられます。パーソル総合研究所のデータでは、副業のデメリットとして過重労働があげられています。雇用されていれば、急な病気や育休で有給休暇制度を利用すれば、すぐに職場復帰することができる保証があります。

 

しかしながら、副業やフリーランスでは個人が守られないため、体調を崩して仕事ができないことから、契約を切られてしまうリスクが存在します。そのため無理をして労働する人も多く、体調を崩しやすい環境になりがちです。また、本業+副業となると物理的に休む時間が取りづらくなることからも、仕事のコストパフォーマンス低下も懸念されます。業と副業の両方に影響が出てしまい、結果としてストレス増や収入減につながってしまう可能性があるのです

格差によって数字ではわからない社会に

先ほどのデータでは、副業推進とは裏腹に近年は平均年収の上昇がみられていました。日経平均の高騰からも、一部の大手企業だけでお金が回っているとも考えられます。もしかすると、大手企業の手によってフリーランス界の経済規模は大きくなるかもしれません。しかし、よく考えてみてください。大手企業はお金を使うかもしれませんが、その分、質の高いものを求めるでしょう。つまり、質の良いものを生み出せない人材は不要になるということです

問題はそれだけでなく、フリーランスが増えると買い手市場になるため、企業はこれまでよりも個々人に安い金額で発注しやすくなります。ただでさえ相場が安いといわれているクラウドソーシングで、より低単価な案件が増える可能性が出てくるのです。東南アジアに安く発注し、高品質な商品を大量に生み出して利益をあげるように、優秀なフリーランスを安く使う時代が到来しないとも言い切れません

生き延びるためにはデジタル分野と他人にはない強みか

副業の推進は、個人の収入を一時的にアップさせたり、企業が低価格で発注できたりとメリットは確かにあると思います。しかし長期的に見ると、個人の利益につながると言えるのでしょうか。現状の景気や国の思惑からは、副業やフリーランスに明るい未来が待っているとは思えません。では、いったいこれからどのような生き方を考えていけばいいのでしょうか。

 

少なからず、デジタル化社会になることは間違いないので、ITが関連するような仕事に目を向けるのがいいでしょう。ただ、IT関連業界であれば必ずしも安定かといえばそうでもありません。発展がめざましい業界のため、日々あらゆるものの自動化や簡略化が行われています。有料級の技術が来年には無料で利用できるようになっている可能性は大いにありえるのです。そのため、機械ではできないであろう立場や知識を手に入れることを考えるべきでしょう

 

また、副業の競争率が高まることでだれでもつくれるものをつくる人は真っ先に買い叩かれていきます。記事やホームページ制作でも、他の人にとって買われるような知識や技量しかない人は真っ先に淘汰されていきます。そうならないためにも、いまから自分だけにしかできない強みを磨き上げておいてください。


投稿者プロフィール

編集長・清水
編集長・清水
編集プロダクション雨輝の編集長。文筆業一家に生まれ、初めて編集業務に携わったのは14歳。Webライターたちの質の低さに失望し、業界を底上げすべく2014年に編プロを設立。日々、Webと紙媒体の狭間で日本語にこだわり続ける。趣味は映画・ドラマ観賞と旅。海外ドラマを語らせたら三日三晩トークが止まらないので要注意。日本は1.5周済。ひそかに文学賞を狙っている。

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