編プロの仕事ライティング

結果を出すWebライティングの依頼方法や外注のメリットについて解説

2022年以降のWebコンテンツにおいても、ライティングは重要な要素です。SEO(※1)対策やCV(コンバージョン ※2)獲得に関連が深いためです。

 

Googleの検索順位は、文章に含まれるキーワードや文脈をGoogleのAIが見て質を判断・決定すると言われています。また、魅力的な文章はユーザーの知識欲・購買欲を刺激し、自社商品やサービスの認知度向上だけでなく、問い合わせ・購入へつなげてくれます。

 

Webコンテンツの重要性が広まっていくなか、確実な結果を出すために、ライティング業務をライターや制作会社へ依頼する企業も増えてきました。しかし、依頼先の質の低さに悩まされる企業は少なくありません。「自社では外注に失敗したくない」と二の足を踏んでいる担当者もいるのではないでしょうか。

 

当記事では編集プロダクションとして多くのクライアントやライターとコンテンツ制作を進めてきた弊社の知見から、「結果を出すライティングの依頼方法」や外注のメリット、主な外注先を解説します。

 

※1 Googleの検索順位を上げることで、Webコンテンツへのアクセス増加や商品・サービスへのCVにつなげる手法

※2 商品購入や資料ダウンロードなど、Webページを訪れたユーザーの最終アクションのこと

 

ライティングを外注するメリット

ライターや制作会社へライティングを外注するメリットは次の3つです。

 

  • 自社だけでは担保できないクオリティを期待できる
  • 営業・マーケティングなどの社内でやるべき本業に集中できる
  • 人件費の削減につながる

 

自社だけでは担保できないクオリティを期待できる

ライターや制作会社は、ライティングやSEO、取材に関するノウハウ・経験を持っています。自社にコンテンツ制作や執筆の実績がなくても依頼先の力を借りれば、SEOに対応したクオリティの高いコンテンツを制作できます。

 

国家資格(医師や士業、FPなど)や業務経験のある専門家への依頼であれば、深い知識や実務経験に基づくオリジナル記事の納品も期待できるでしょう。

 

営業・マーケティングなどの社内でやるべき本業に集中できる

ライターや制作会社にライティングを任せることで、自社社員は営業やマーケティングなどの「社内でやるべき本業」に集中できます。

 

多くの企業にとってビジネスの最終目的は、「よいコンテンツをつくること」ではありません。「自社の利益を上げること」「よい商品・サービスで社会に貢献すること」ではないでしょうか。

 

コンテンツ制作にお金や人員を割きすぎて、本来の業務がおろそかになっては本末転倒です。目的と手段が入れ替わっていないかを確認してみてください。

 

人件費の削減につながる

ライティング依頼の多くは業務委託契約(請負や委任契約)です。「ライティングのみ」「ライティングとその付随業務のみ」といったスポット依頼ができるため、正社員やパートを雇うよりコストが安価で済みます。

 

ただし依頼料は外注する業務量や難易度、社内予算によっても変わります。コスト削減目的の依頼だったはずが総合的にコストが上がってしまわないよう、依頼前に予算について十分な相談が必要です。

 

結果を出すライティング依頼で意識すべき5つの注意点

ライティング依頼は、「よさそうなライターや制作会社へ依頼すればよい」と漠然と考えるだけでは十分な結果を出せないでしょう。

 

結果を出すためのポイントは「依頼先へ敬意を持つこと」と「自社コンテンツと依頼先の能力・スキルの相性を見ること」です。以下ではライティング依頼で具体的に意識すべき、5つの注意点をみていきます。

 

1.「どのようなライティング」を依頼するのか明確にすること

「ライター」と一口に言っても、得意なライティング分野は人によって違います。いくら優れた能力・実績を持つライターへ依頼しても、自社が求めるライティングと相性が悪いと、原稿の質が落ちる可能性があります。

 

ライターの主な種類は次のとおりです。

ライターの種類 概要
SEOライター SEOの知見を持つ、Web系に強いライター
紙媒体ライター 雑誌や書籍での執筆が中心のライター
取材ライター インタビュー・取材が得意なライター
シナリオライター 映画やドラマ、ゲームなどのシナリオ(ストーリー)執筆を請け負うライター
求人広告ライター 採用Webページや求人広告の執筆を請け負うライター
セールスコピーライター

(LPライター)

商品やサービスを勧めるライティングを行うライター
コラムニスト 本編やニュース以外のコラムで主観を交えつつ客観的事実を解説するライター
エッセイスト 自身の感性や経験をもとに文章を主観で表現するライター

またライター個人が持つ業界経験やスキルによっても得意分野は変わります。たとえば元ITエンジニアのライターなら経験に基づくIT分野の執筆ができますし、医師免許を持つライターなら医療分野の記事に権威性を持たせられるでしょう。

 

さらにライターの中には、プログラミングやデザイン、カメラなどライティング以外のスキルを併せ持つ人材もいます。依頼の際は「自社コンテンツの質を上げる能力や経験を持っているか(持ったライターが在籍しているか)」を、事前にチェックしておきましょう。

 

2.「どこまで」「どのように」依頼するのか決めておくこと

ライターや制作会社へライティングを依頼する前に、基準として「どこまで」「どのように」を決めておきます。「どこまで」は任せる作業量のことです。たとえば次の依頼範囲が考えられます。

 

  • 企画や取材、ライティングなどをすべて一括依頼
  • 企画と取材は自社完結、構成案・ライティングは依頼
  • 企画~構成案までを自社完結、ライティングのみを依頼 
  • ライティング関係に加えてデザインやSEO対策もまとめて依頼 など

 

「どのように」は仕事の進め方のことです。自社で細かいルールを設定するのか、ライターの裁量に任せるのかなどを共有しておきます。共有すべき項目には、次のものが挙げられます。

 

  • 文章のトンマナ(※3)
  • 執筆ジャンル
  • 報酬
  • 記事の本数
  • 納品方法
  • 参考資料
  • 執筆スケジュール(取材日や納期など)
  • 記事への記名の有無 など

 

もし仕事の作業量や進め方を自社都合で一方的に変えたり曖昧にしておいたりすれば、依頼先とのトラブルにつながりかねません。逆に最初から明確にしておけば、依頼先も安心して仕事を請け負ってくれるでしょう。

 

経験の浅いライターへ依頼するときは、事前にマニュアルを作成するのも有効な手段の一つです。

 

※3 トーン&マナーの略。「です・ます調」「で・ある調」などの文末表現や、「中高年向けの格式高い文章」「若年層女性向けのひらがなや感情表現が多い文章」などの文章の雰囲気に一貫性をもたせるためのルール。

3.依頼先の執筆記事や実績を必ず見ること

依頼先の執筆記事やライティング実績は必ず確認しましょう。弊社ではライターの採用における重要なポイントを、「何が書けるのか」「本当に書けるのか(根拠はあるのか)」を見抜くことだと考えています。

 

「未経験でも提案文がよければ判断材料になる」というのも、採用における考え方の1つです。しかし中には、嘘の経歴を伝えたり実績を大げさに見せたりする応募者もいます。提案文の書き方や「フリーランスの経歴は多少誇張すべき」との考え方も広まっているからか、実力をごまかすライターが見受けられるのも事実です。

 

たとえば個人ライターの執筆記事だと、編集者・校正者の修正が入っている可能性があります。さらに弊社では「別のライターの記事を自分記名に書き換える」「受けた仕事を無断で外注し自分の実績にする」など、悪質な事例も確認したことがあります。

 

素の文章力を見たいときは、第三者の手が入らない個人ブログやnoteなどを読むのも一つの手です。ほかにはテストライティング(応募時に文章を書いてもらい、その文章を見て採用の可否を決定すること)で実力を測る方法もあります。

 

ただしテストライティングであっても、依頼料は市場相場からかけ離れないようにしましょう。無償や低報酬でのテストライティングだと、ライター側に「記事を持ち逃げされるのでは」と不信感を与えます。本依頼の半額~全額が適正な範囲だと弊社では考えています。

 

無償でお願いする場合でも、500~1,000文字程度執筆してもらえれば、文章力チェックには十分なはずです。無償で1記事の完成まで求めるのは、労働力の搾取になります。

 

もし「確実に質を担保したい」と希望する場合は、編集者や校正者が在籍している編集プロダクションや記事制作代行会社への依頼をおすすめします。

 

4.ライティングの質は報酬に比例すると考えておくこと

ライティングの質は、依頼先に支払う報酬額に比例すると考えておきましょう。

 

ライティング関係の仕事は、ボランティアでも簡単な業務でもありません。作業量や難易度に見合わない報酬だと、ライターのモチベーション低下によって以下の問題が発生するリスクがあります。

 

  • 納品記事の質の低下
  • 他案件の優先による納品数の減少
  • 依頼途中での一方的な契約終了や音信不通(ライターが「飛ぶ」ともいう)
  • 継続依頼の拒否 など

 

報酬をいくらにすべきかは、依頼内容や依頼先との交渉によって変わります。報酬額の上乗せを考えるべきケースの例は次のとおりです。

 

  • 画像作成や構成案作成などのライティング以外の業務も依頼する場合
  • ベテランライターに依頼する場合
  • 専門性の高いライティングの場合
  • 取材費や交通費が発生する場合

 

とはいえ実際は自社予算との兼ね合いがあると思われます。予算感はあらかじめ伝えておきましょう。ライター側の条件をすべてのむのではなく、お互いが納得できる報酬額を決めることが大切です。

 

5.E-A-T分野では専門性・取材力の高さを重視すること

E-A-Tは専門性・権威性・信頼性を意味します。E-A-T分野のライティングとは、金融や健康、教育、転職など「人生への影響力が大きい分野」です。GoogleはE-A-T分野のコンテンツの品質に関して、厳しい基準を設けているといわれています。

 

2022年1月時点でのSEOの傾向としては、文章のクオリティに加えて「誰が書いたか」の影響が大きいと、SEO会社の調査や弊社の経験則からわかってきました。

 

そのため、E-A-T分野のライティングを外部へ依頼するときは、費用をかけてでも専門性や権威性がある依頼先を探しましょう。また権威性のある人物に取材ができる力があるかどうかも、重視すべきポイントです。

 

なお、執筆者や監修者が資格取得者・著名人の場合は、コンテンツにプロフィール情報を入れると、SEO対策になるといわれています。記名やプロフィール掲載を望むライターも多いため、記名記事での募集は採用面でもプラスになるでしょう。

ライティング依頼は誰・どこにすべきか?外注先の種類

ライティングを依頼できる主な外注先は、「クラウドソーシング」「ライター個人」「医師や士業などの専門家」「記事制作代行会社」「編集プロダクション」の5つです。自社コンテンツに求める質や予算とすり合わせつつ、適切な外注先を検討しましょう。

 

概要は次のとおりです。

ライティングの主な外注先 概要
クラウドソーシング
  • 大量公募やスカウトが容易
  • 初心者や責任感のないライターも多数
ライター個人

(SNSやブログ)

  • 採用活動の手間を省きつつ信頼できるライターへ依頼可能
  • 人気ライターはリソースが少なく断られる可能性あり
医師や士業などの専門家
  • 抜群の専門性・権威性
  • 読みやすいライティングやSEOのサポートが必要な場合あり
記事制作代行会社
  • ITが基盤にあるケースが多くSEOやマーケティングに強い傾向
  • まだ経験が少ない若いディレクターも多く記事品質にムラが出ることがある
編集プロダクション
  • 全体的な質の高さに期待可能
  • IT分野に弱い組織が多い傾向(近年はITやSEOに強いところもあり)

 

ライティング依頼は「依頼先への敬意」と「慎重な選定」がポイント

ライティングは、想像以上に専門性や労力が必要な業務です。社内リソースを無理に割くより、ライターや制作会社へ執筆を依頼したほうが、結果的にクオリティ面でもコスト面でも大きなメリットがあります。

 

ライティング依頼で大切なポイントは、「依頼先への敬意(適正な報酬額の設定や作業内容の開示)」と「慎重な選定(ライターの得意分野・実績・能力の確認)」です。不明瞭な内容や低報酬など相手への敬意が欠ける依頼では、質のよい原稿は上がってこないでしょう。また、実績や能力を確認せずに依頼すると、貴重な時間とお金を失うことになる可能性があります。

 

弊社「編集プロダクション雨輝」でも、専門性の高いライターや高精度の校正者・校閲者にご協力いただくことで、Web記事・紙媒体を問わず実績を積み上げてこられました。質のよいコンテンツになるかどうかは、ライティングを依頼する前に決まっていると言っても過言ではありません。


投稿者プロフィール

編集長・清水
編集長・清水
編集プロダクション雨輝の編集長。文筆業一家に生まれ、初めて編集業務に携わったのは14歳。Webライターたちの質の低さに失望し、業界を底上げすべく2014年に編プロを設立。日々、Webと紙媒体の狭間で日本語にこだわり続ける。趣味は映画・ドラマ観賞と旅。海外ドラマを語らせたら三日三晩トークが止まらないので要注意。日本は1.5周済。ひそかに文学賞を狙っている。
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