ライティング問題集

「過半数を超える」は間違い?二重表現をきちんと理解できている?

世の中に少しでも良き文章、綺麗な日本語があふれてほしい想いから、ライターや編集者の方に向けてスキルアップにつながる解説付き問題集を定期的に配信することになりました。第一弾となる今回は、二重敬語をはじめとする問題を掲載。3分以内で解けて、学びになるので、気軽に挑戦してみてください。

Q1.最も適切な文章を一つ選んでください。

  1. 賛成票が過半数を超えたので、その法案は可決された。
  2. 私たちが一番最初に取り組むべきことは、目的を明確にすることです。
  3. 彼らはどんな手段を使ってでも、その財宝を手に入れようとした。
  4. 私は活動報告の効果的な方法について慎重に熟慮した。

 

Q1の答えを見る
(答え)c

(解説)c以外は二重表現が含まれています。aは「過半数に達する」、bは、「一番」と「最初」が同様の意味なので、「一番に」か「最初に」のどちらかが望ましいです。dは「熟慮」に慎重の意味合いが含まれるため、「慎重に」は不要です。

 

Q2.表現が間違っている文章を一つ選んでください。

  1. 明日10時に御社へ伺います。
  2. A社の社長は、前の会議が終わり次第おいでになるそうです。
  3. 山本様ご一行は来月にいらっしゃることになった。
  4. 今度開催されるB社主催のイベントには何名様で参られますか?

 

Q2の答えを見る
(答え)d

(解説)「参る」は謙譲語なので、この場合は「いらっしゃいますか」「行かれますか」など尊敬語を用いるのが適切です。

 

Q3. 適切でない表現を含む文章をすべて選んでください。

  1. 私は、彼に明日は何時に来れるかと尋ねた。
  2. 基本的に食べれないものはありません。
  3. これは冬にしか見れない現象だ。
  4. 今日はいろんなことがありすぎて、今は何も考えられない。

 

Q3の答えを見る
(答え)a.b.c.

(解説)a、b、cとも、可能の意味において「ら抜き言葉」が使われている文章です。正しくは、a「来られる」、b「食べられない」、c「見られない」となります。近年では「ら抜き言葉」は必ずしも間違いではないといった見解があるものの、新聞やニュースサイトなどで用いられることは基本的にありません(文化庁|言葉遣いに関すること)。


投稿者プロフィール

編集長・清水
編集長・清水
編集プロダクション雨輝の編集長。文筆業一家に生まれ、初めて編集業務に携わったのは14歳。Webライターたちの質の低さに失望し、業界を底上げすべく2014年に編プロを設立。日々、Webと紙媒体の狭間で日本語にこだわり続ける。趣味は映画・ドラマ観賞と旅。海外ドラマを語らせたら三日三晩トークが止まらないので要注意。日本は1.5周済。ひそかに文学賞を狙っている。
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